旅 GUDOH(求道)
Prologue
旅、すればするほど無知をおもい知る。
人生、続ければ続けるほど解らなくなる。
けれども、どちらも止めようとは思わない。
旅、すれば、するほど、また、したくなる。
人生、失敗しても、また、すぐ挑戦したくなる。
こころを惹かれる土地には、まず旨いものがあり、
そこで生まれ育ち、そこに似合う確かな人が居る。
一つの事を思い続け、あきらめないで生ききれば、
ところどころに、御馳走と、ご褒美が待っている。
鳥は飛びたい、魚は泳ぎたいと思って、そうなった。
それは与えられたものではなく、おのずから欲して、
進化してそうなったと思う。つまり自己貫徹をして。
旅を続けたい、一歩でも二歩でも、前に進みたい、
生き続けたい、一分でも二分でも、長く生きたい、
思うことよって、それは実現し、人間も進化する。
「人生は旅」とは、よくぞ言ったものだ。
旅行ではない、旅行は団体でするもの。
元々は軍隊が移動することを言った。
ひとりでなければ旅ではない。
旅をすることなのだろう。
旅に発つ見知らぬ誰かに会いたくて 知らない誰かは自分だったり
安正
ひとり行く道を求めて鳥でさえ
二人でも旅というなりつがい鳥(上野英孝撮影)
旅車行く先々に友ありて(上野英孝撮影)
秘島のひと
(仁右衛門島)
そそとしていて、あくまでも控えめ、
それでいて気品あふれるご婦人の姿。
それは正に現代の奇跡、我が目を疑う。
その話は機知に富み人生の指針となる。
「ご先祖様は、命を助けた頼朝さんから、
安房一国を与える、と言われたのですが、
粟一石と聞きまちがえたのかどうですか、
島と漁場だけで充分なので、何も要りません。
今の生活が一番いいです。と答えたそうです」。
数知れぬ人に会い、数知れぬものを見てきた夫人、
これからも多くの人に、いま忘れている大切なことを、
それとなく、もう一度、優しく問いかけてくれるのだろう。
第38 代 平野仁右衛門夫人(右)
秘密の滝見台
日本三名瀑のひとつでもある袋田の滝、これをほぼ真上から見下ろせるポイントがある。茨城県人300万人の内、何人がこの場所を知っているだろうか。私は同級生の小野瀬君に案内してもらったが、おそらく300人の内のひとりと思われる。100万分の1の貴重な人だ。
彼はいま、第二の人生をデイサービスセンターでお年寄りのお世話をして過ごしている。
彼が毎月発行しているフォトニュースは、お年寄りたちの人気の的だ。季節の花々を中心に風景・名所探訪・ちょっとした出来事などを短文とともに写真で紹介している。
同級生5,6人で山登りをすると一人ひとりに声をかけてくれる。一人だけに声をかけると、お年寄りは、ねたむらしい。我われも63歳、お年寄りなのだろう。当然のことながら彼も63歳なのだが……。
羊蹄山
光り一瞬
あとは闇
毛越寺秋雨前線ただよひて
誰なるや堂守放哉山頭火
毛越寺五輪五体は雨の中
雨降れば雨と一体修行僧
雨も亦奇なりといへりわが西施
まほろばの まほろば三内丸山は
栗文化 柱も板も食べ物も
ここにあり 土蜘蛛の家 風土記の
(なぞとき地名人名考・音楽はサムシンググレートと呼応する参照)
豊かなりムナカタの世界ゴッホより
百年の恋吹き飛ばす放屁かな
かみしめるお岩木山のてっぺんで
ウォーキング岩木神社の境内で
森吉山樹が生きているピラミッド
もう少し行けば山頂空仰ぐ
ひとまたぎ熊を追いやりマタギの湯
ないじょうはくのくのくの字の弘前城
城内の暮らしはいかがお殿様
こまちさん住んでいるよな角館
急ぐまいまだまだあるぞ人生は