Prelude
音だけを出すのは演奏家、
感動を加えるのは音楽家で、
思索を呼び起こすのが芸術家。
漠然と演奏をしてはいけません、
独りよがりであってもいけない、
衝動的だけであってもいけません。
どんな音で何を表現したいのか……。
いつも、思っていなければいけません。
もう一人の自分、
思想がなければ音を出すことはできません、
哲学がなければ演奏をすることはできません。
訴えたいものは何か、何をしてはいけないのか、
自分は何をしたいのか、聴衆に何を示したいのか、
そして何をするべきなのか、明確に自分の意見や考えを
持つことで、どんな演奏をするべきかが、分ってきます。
演奏は生まれる命と同じもの 無二の時間と無二の空間 安正
制作 グラスアートセイ
孤高の人たち
このところの一般的なジャズミュージシャンは、
ほとんどの持ちものを奪われつつあります。
家も家財も妻子もなく、食うや食わずで、
ただジャズだけを演奏している面々が
何人も頭に浮かんできます。しかし
いかに非情な現代社会とはいえ
ジャズに対する欲求だけは
奪う事はできません。
彼らには命よりも
ジャズの方が、
大切だから。
命のいらない人間は
どうする事もできません。
音楽に対するピュアな気持ち、
自分はジャズによって支えられてこそ
生きていられるという自覚、その信念の確かさ、
そういうものが、何もない中で輝いて見えています。
ジャムセッションいのちといのち音にしてオープンマインドフリースピリット 安正
制作 グラスアートセイ