孤独の法則
創造は自由と想像から生まれる。
自由と想像は孤独の賜物である。
自由創造を得ることができない。
孤独はエネルギーをもっている。
孤独は生きる力そのものなのだ。
この事を表す詩を挙げてみよう。
孤独が何で珍らしい
孤独の痛さに堪え切った人間同士の
黙ってさし出す丈夫な手と手のつながりだ
孤独の
がやがや集まる
孤独が何で珍らしい
寂しい信頼に千里をつなぐ人間ものの
見通しのきいた眼と眼の力
そこから来るのが尽きない何かの熱風だ
高村光太郎
「
「熱風」は孤独がもたらすものだ。
二十億光年の孤独
人類は小さな球の上で
眠り起きそして働き
ときどき火星に仲間を欲しがったりする
火星人は小さな球の上で
何をしてるか 僕は知らない
(
しかしときどき地球に仲間を欲しがったりする
それはまったくたしかなことだ
万有引力とは
ひき合う孤独の力である
宇宙はひずんでいる
それ故みんなはもとめ合う
宇宙はどんどん膨らんでゆく
それ故みんなは不安である
二十億光年の孤独に
僕は思わずくしゃみをした
谷川俊太郎
「ネリリ、キルル、ハララ」(火星語)=「眠る、起きる、働く」
孤独
孤独ほどつきあいやすい友達に出会ったためしがない。
われわれは自分の部屋にひき籠っているときよりも、
そとでひとに立ちまじっているときのほうが、
たいていはずっと孤独である。
考えごとをしたり仕事をしたりするとき、
ひとはどこにいようといつでもひとりである。
孤独は、ある人間とその同胞とをへだてる距離などによっては測れない。
ソロー(1817〜1862年)
(『森の生活』(上)、飯田実訳、岩波文庫、1995年)
宇宙の実在そのものの、
根本に「孤独」がある。
人間は星屑の子供である。
∴ 人間は孤独である。
しかも孤独を理解するのは
人間だけ、ほかにはない。
人は人前で演技をしている。
孤独は演技をしなくてよい。
∴ 孤独は、安らぎである。
孤独なくして楽しみは無い。
孤独とは一人ぼっちのことでなく 全体宇宙と通じるをいう 安正