懐古趣味は良いところしか話題にしたがらない
このところ、テレビや雑誌などで昭和30年代を懐古することが盛んのようです。団塊の世代にとって、
確かに、駄菓子屋・紙芝居・線香花火・メンコ・べーゴマ・チャンバラ遊びなどは楽しいものでした。でも、そのほかのことも冷静に振り返ってみたいものです。
あの頃は、野草を摘み、茸を採り、柿を落とし、栗を拾い、鰻や
村々ではどこの家でも
飲料水は山の水を
考えてみると、縄文時代や弥生時代の生活とあまり変わっていなかったのではないでしょうか。団塊の世代はのっぴきならず、このような生活をした最後の世代に当たりましょう。
過食症・拒食症・花粉症・エイズなどは、まだありません。糖尿病や癌患者も少なく、自殺者も今のように多くはありません。だからといって健康で文化的であったわけではありません。
子供たちは
疫痢患者の出た家は村八分になり、医者も寄り付きたがりません。亡くなるのを待って、消毒をすることが保健所職員の主な仕事でした。
亡くなってしまえば、まだ良いほうで、結核や癩の場合は患者も家族も悲惨の極みでした。人権など無いに等しい利己社会だったのですから。
貧困だけが全ての原因ではなかったような気がします。豊かな現代でも決してなくならないイジメ、当時のそれは徹底的に陰湿でした。
懐古趣味は良いところしか話題にしたがりません。
人は皆忘れるからこそ生きられる リフレッシュとは忘却なりし 安正